【サッカーと股関節のインナーマッスル】“キレ”と“怪我予防”は、見えない筋肉で決まる

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カラダの説明書 緑橋の春藤謙介です。
今回は、サッカー選手にとって非常に重要な「股関節のインナーマッスル」について解説します。
ドリブル、シュート、ターン、ジャンプ、ボディコンタクトなど、サッカーのすべての動作に関わっているのが股関節です。
その股関節を“中から支えている筋肉”がインナーマッスルです。
しかしこの筋肉、見た目では鍛えられているか分かりづらく、練習やトレーニングで置き去りにされがちな筋肉です。
結果として、「なんとなく動きが重い」「同じ足ばかり使ってしまう」「怪我を繰り返す」といった課題が起こります。
この記事では、サッカーにおける股関節のインナーマッスルの役割と、実際のプレーや怪我との関係性について解説していきます。
サッカーに必要な“動き”は股関節から始まる
サッカーのパフォーマンスは、どれも股関節の動きと深くつながっています。
ドリブルの切り返しやターン
相手の逆を突くような切り返しや、鋭いターンは股関節の外旋・内旋という細かい動きが連動して行われます。
インナーマッスルが弱くなると、この切り返しで足元がぶれる・腰が引けるなどの動きが見られ、プレーのキレが失われてしまいます。
シュートやキックの軸足の安定
力強いシュートを打つには、軸足の安定が不可欠です。
股関節のインナーマッスルは、その“土台”となる軸足の安定性をつくるうえで欠かせません。
ブレた軸足では、インパクトの瞬間に力が逃げてしまい、強いシュートが打てません。
また、キックのたびに腰や膝に負担が集中し、オーバーユース(使いすぎ)による痛みにもつながります。
ボディコンタクトの強さや“倒れにくさ”
サッカーでは当たり負けしないことも重要な要素です。
接触プレーで踏ん張れるかどうかは、股関節の深部の安定性が鍵になります。
インナーマッスルが働いている選手は、接触しても軸がぶれず、倒れにくく、すぐに動き出せるという特長があります。
逆に、見た目は筋肉質でも、インナーが弱ければ踏ん張れずに倒れてしまうことも多いです。
股関節インナーマッスルとはどんな筋肉か?
ここからは解剖学的に“股関節のインナーマッスル”を整理しておきましょう。
代表は「腸腰筋(ちょうようきん)」
腸腰筋は、股関節のインナーマッスルの中でも最も注目すべき筋肉です。
・大腰筋:背骨(腰椎)から太ももの内側につながる筋肉
・腸骨筋:骨盤の内側から太ももにつながる筋肉
この2つをまとめて「腸腰筋」と呼びます。
サッカーではこの腸腰筋が、
・太ももを素早く持ち上げる(ダッシュやジャンプ)
・姿勢を保つ(重心のコントロール)
・プレッシャーを受けてもブレない体幹を保つ
といった働きを担っています。
梨状筋や閉鎖筋などの“外旋筋群”も重要
他にも以下のような股関節インナーマッスルが、回旋動作やバランスの維持に関わります。
・梨状筋(りじょうきん)
・内閉鎖筋・外閉鎖筋
・上双子筋・下双子筋
これらは股関節を外側にねじる(外旋)ときに使われ、ターンや踏み込み動作に不可欠な筋肉群です。
インナーが弱いと“見えない不安定さ”が生まれる
サッカーの現場では、
・脚の振りが重い
・プレッシャーのときに軸が崩れる
・股関節の前側に詰まり感や痛みがある
といった悩みを持つ選手が多く見られます。
こうしたケースでは、表面の筋力よりも「インナーマッスルの機能不全」が関係していることが少なくありません。
詳しくは下記の記事で解説しております。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

インナーマッスルが整うとパフォーマンスが変わる理由
見た目に分かりづらい股関節のインナーですが、整えると劇的な変化が現れます。
ダッシュやターンの“初速”が上がる
腸腰筋が活性化されると、脚を引き上げる力がスムーズに発揮できるようになります。
これは初動の速さ(スタートダッシュ)に直結します。
また、股関節が滑らかに動くことで、ターンや方向転換のスピードが上がり、キレのある動きが可能になります。
左右差が減り、軸が安定する
サッカーでは片脚での動作が多いため、インナーマッスルの左右差があるとプレーにも偏りが出ます。
腸腰筋や梨状筋を左右バランスよく使えるようになると、
・キックの精度が安定する
・ターンやカットインが両方向でできる
・ケガのリスクが減る
といった恩恵が得られます。
疲れにくく、ケガをしにくい体になる
インナーマッスルが働いている状態は、体幹が自然に安定している状態です。
この状態では、全身の連動性が高まり、「必要な筋肉だけを使って動ける」ため、無駄な力みや筋疲労が減少します。
さらに、関節の衝撃吸収もスムーズになるため、
・股関節や膝、足首のケガ予防
・腰痛や鼠径部痛症候群(グロインペイン)の予防
にも大きく関わります。
最後に
股関節のインナーマッスルは、サッカーにおいて見逃されがちですが、最も大事な筋肉のひとつです。
・動きの“キレ”を出したい
・ケガが多くて悩んでいる
・どこか動きに左右差やブレを感じている
そんな選手は、「腸腰筋」「梨状筋」「閉鎖筋群」などの深層筋に目を向けるだけで、劇的な変化が起こるかもしれません。
一見地味ですが、これらの筋肉は「軸をつくる」「バランスを整える」「ケガを防ぐ」といった、プレーの根幹を支えています。
「今よりもっと動ける体をつくりたい」という選手・保護者の方は、ぜひ一度「カラダの説明書」にご相談ください。
