【股関節のインナーマッスル】体幹を支える“奥の筋肉”を知れば、動きと姿勢が変わる

大阪メトロ緑橋駅から徒歩1分
整体とパーソナルトレーニングで痛みや疲労の改善を目指す
カラダの説明書 緑橋の春藤謙介です。
今回は、「股関節のインナーマッスル」について解説します。
歩く、立つ、座る、走る、ジャンプするなど、私たちのあらゆる日常動作の土台となるのが股関節です。
その股関節を根本から支えているのが、“奥の筋肉”であるインナーマッスルです。
ただ、股関節のインナーマッスルは目に見えにくく、意識されることも少ないため、不調の原因になっていることにも気づかれにくい部位です。
この記事では、股関節のインナーマッスルが担う役割と、正しい使い方や整え方について、専門家の視点から詳しくお話ししていきます。
股関節インナーマッスルとは何か?
まずは、股関節のインナーマッスルについての基本をおさえておきましょう。
代表的なインナーマッスルは「腸腰筋(ちょうようきん)」
股関節のインナーマッスルの中で最も有名かつ重要なのが「腸腰筋(ちょうようきん)」です。
腸腰筋は、2つの筋肉で構成されています。
・大腰筋(だいようきん):背骨(腰椎)から太ももの内側に伸びる筋肉
・腸骨筋(ちょうこつきん):骨盤の内側から太ももにつながる筋肉
この2つをまとめて腸腰筋と呼び、股関節を前に引き上げる動きや、姿勢の安定に深く関わっています。
また、以下のような筋肉も股関節のインナーマッスルに含まれます。
・梨状筋(りじょうきん)
・内閉鎖筋・外閉鎖筋
・上双子筋・下双子筋
これらは股関節を外旋(外側にねじる)する役割を担っており、股関節の安定性と細やかな調整力に寄与しています。
股関節のインナーマッスルが支えているもの
インナーマッスルは、表面にある「アウターマッスル」と違い、関節そのものの安定や微調整を行う役割を持っています。
股関節でいうと、
・骨盤と太ももの骨(大腿骨)の接合部を安定させる
・姿勢を保ちやすくする(骨盤が前後に傾きすぎないようにする)
・動き出しの瞬間に「スッ」と力を出す
こういった働きを担っています。
逆に言えば、股関節のインナーマッスルが弱くなっていると、
・骨盤が前後に傾きやすくなる
・股関節がグラつき、脚に負担が集中する
・歩き始めに「重たい」「詰まる」感じが出る
といった不調が起こりやすくなります。
見た目にはわからないが、動きに大きく影響する
インナーマッスルは小さくて深い場所にあるため、筋トレで盛り上がるような変化はありません。
しかし、動きの軽さ・スムーズさ・疲れにくさなどに直結しているため、機能を高めることで“全身のパフォーマンス”が向上します。
つまり、見えないけれど、日常の動きを根本から変える力を持っている筋肉群なのです。
股関節インナーマッスルが弱るとどうなるか?
インナーマッスルの重要性を理解していただいたところで、ここでは「弱くなるとどんな症状が出るのか」について解説します。
姿勢の崩れ(反り腰・猫背)
腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。
この筋肉が弱くなると、骨盤が前傾(反り腰)または後傾(猫背)しやすくなり、姿勢の土台が崩れてしまいます。
特に、座りっぱなしのデスクワークやスマホを見続ける習慣がある人は、腸腰筋が“縮こまりやすく”なっており、正しい使い方ができていないケースが多くあります。
股関節の詰まり感や痛み
インナーマッスルの働きが低下すると、股関節を滑らかに動かすことが難しくなります。
その結果、
・歩くときに股関節の前側が詰まるような感覚がある
・脚を上げるときに痛みが出る
・長時間歩くと脚がだるくなる
といった症状につながります。
特に、「階段が重たく感じる」「脚の付け根が引っかかる感じがある」という方は、インナーマッスルの機能低下を疑うべきです。
代償動作による膝や腰のトラブル
股関節が安定しないと、その分の負担が膝や腰にかかるようになります。
本来は股関節が吸収するべき衝撃やねじれを、他の部位が代わりに請け負うためです。
・膝が内側に入って痛みやすい
・腰に反りが強くなって違和感が出る
・歩き方が左右非対称になる
このような状態が続くと、全身のバランスが崩れ、慢性的な疲れやケガの原因となります。
股関節インナーマッスルの機能を高める方法
では実際に、股関節のインナーマッスルを「うまく使えるようにする」にはどうすればよいのでしょうか。
まずは「姿勢」を整えることが第一歩
インナーマッスルは、正しい姿勢でこそ機能しやすくなります。
姿勢が崩れている状態では、いくらトレーニングをしてもインナーマッスルが働きません。
・骨盤を立てて座る
・肋骨を締めてお腹を軽く引き上げる
・胸を張りすぎず、呼吸がしやすい状態をつくる
こうした基本姿勢が、腸腰筋や梨状筋などを自然に働かせるための“土台”になります。
呼吸と連動させてインナーマッスルを活性化
股関節のインナーマッスルは、呼吸に関わる筋肉(横隔膜・腹横筋など)とも連動しています。
深い腹式呼吸を意識することで、インナーマッスル全体が活性化しやすくなります。
・鼻から吸って、お腹をふくらませる
・口からゆっくり吐いて、お腹を引き締める
・吐くときに、股関節の内側が“締まる”感覚を意識する
こうした呼吸と合わせた動作は、姿勢の安定と筋肉の協調性を高める上で非常に効果的です。
無理のない範囲でトレーニングを始める
股関節のインナーマッスルは、重い負荷ではなく「正しい角度・タイミング・意識」で刺激することが大切です。
具体的なエクササイズは、次回の動画や投稿でご紹介しますが、まずは以下のような動きを意識してみてください。
・仰向けで片脚ずつゆっくり持ち上げる
・四つん這いで脚を後ろに引いていく
・軽くしゃがんで股関節に体重を乗せる感覚をつかむ
無理に回数を重ねるよりも、「奥からじんわり熱くなる感覚」を大切にすることで、インナーマッスルが正しく育っていきます。
最後に
股関節のインナーマッスルは、見た目にはわかりにくいけれど、私たちの動作や姿勢の“芯”を担う非常に重要な存在です。
・姿勢を整えたい
・歩き方や体の使い方を良くしたい
・スポーツやトレーニングの質を上げたい
・股関節の痛みや違和感を根本から改善したい
こうした悩みを持つ方にとって、インナーマッスルとの向き合い方が大きな鍵になります。
「何となく股関節が重い」
「柔らかいけど安定しない」
「反り腰や骨盤の歪みが気になる」
そんな方は、ぜひ一度カラダの説明書にご相談ください。
