G-PVZDF61VZF 【熱中症を起こさない】暑さに慣れる暑熱順化とは? - カラダの説明書
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【熱中症を起こさない】暑さに慣れる暑熱順化とは?

謙介春藤

大阪メトロ緑橋駅から徒歩1分

整体とパーソナルトレーニングで痛みや疲労の改善を目指す
カラダの説明書 緑橋の春藤謙介です。

夏の運動中に起こる体調不良の中で、最も注意すべきものの一つが「熱中症」です。
特にサッカーや陸上など、屋外で長時間活動するスポーツでは、体温調節がうまくできず、パフォーマンスの低下だけでなく命に関わるケースもあります。

その対策として今注目されているのが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。
本記事では、「熱中症とは何か?」「なぜ起こるのか?」「暑熱順化とはどういうものか?」「どう実践するのか?」を丁寧に解説していきます。

熱中症とは何か?

そもそも熱中症とは何かご存じでしょうか?

まずは熱中症とはなにかを解説していこうと思います。

体温調節の仕組みと限界

人の体は、汗をかいたり血管を拡張したりすることで体温を一定に保とうとします。
しかし気温や湿度が高いと、これらの機能がうまく働かなくなり、体に熱がこもってしまいます。

このときに現れる症状が「熱中症」です。
具体的には、めまい、頭痛、筋肉のけいれん、吐き気、さらには意識障害などが起こります。

また軽視されがちですが、喉の渇きも熱中症の症状です。

そのため喉が渇く前にこまめに水分補給することが重要になってきます。

なぜスポーツ中に起きやすいのか

スポーツでは大量の汗をかき、体内の水分や塩分が急速に失われます。
そのうえ、筋肉の発熱によって体温はどんどん上昇します。

さらに、屋外競技ではアスファルトや芝の照り返しなど、環境要因が重なり、体温調節が追いつかなくなるのです。

熱中症のリスクが高い人とは

特に注意が必要なのは以下のような人です。

・まだ体温調節機能が未熟な子ども

・暑さに慣れていない人

・運動不足で汗をかき慣れていない人

・前日に睡眠不足や体調不良がある人

これらに該当する人は、熱中症の初期症状が出たらすぐに休む判断が必要です。

人間は汗をかいてその汗が蒸発することで、身体の熱を発散しています。

そのため、本格的に暑くなる前にしっかり汗をかく練習をしておくことも熱中症予防には重要になります。

暑熱順化とは何か?

熱中症の予防は夏が始まる前からしていきます。

それがこの暑熱順化です。

ここからはそんな暑熱順化について解説していきます。

暑熱順化のメカニズム

「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れ、効率的に体温調節ができるようになる生理的な適応のことです。
具体的には、以下のような変化が起こります。

・少しの暑さでも汗をかけるようになる

・汗の量が増え、体温を下げやすくなる

・汗の中のナトリウム量が減り、体内の電解質バランスを保ちやすくなる

・皮膚血流が増えて、熱放散がスムーズになる

こうした変化が起こることで、同じ気温下でも熱中症のリスクがぐっと下がります。

暑熱順化にかかる時間

暑熱順化にはおよそ5日〜10日間かかるとされています。
これは個人差がありますが、毎日30〜60分の軽い運動や屋外活動をすることで、徐々に暑さに強い体が作られていきます。

注意すべきなのは、数日運動を休んだだけで暑熱順化の効果は低下するという点です。
維持するには継続的な刺激が必要です。

暑い夏が始まる前に身体を慣らしていくことも大事になります。

暑熱順化が重要な理由

暑熱順化は、熱中症予防だけでなく、運動パフォーマンスにも直結します。
暑さに慣れていないと、すぐにバテて動けなくなりますが、順化が進んでいると心拍数の上昇が緩やかになり、息切れしにくくなります。

とくに夏の試合や合宿、夏の全国大会などに出場する選手には欠かせないコンディショニング要素です。

暑熱順化の実践方法

では具体的にどのような方法で暑熱順化をしていけば良いのでしょうか?

ここからはやり方について解説していきます。

軽い有酸素運動を継続的に行う

暑熱順化の基本は「毎日少しずつ身体を暑さに慣れさせる」ことです。
具体的には、以下のような運動が効果的です。

・日陰でのウォーキング

・軽めのジョギング(朝夕などの涼しい時間帯)

・室内でのバイクトレーニング(扇風機なし)

いきなり高強度の運動を行うと、逆に体調を崩す可能性があるため、低強度で長めの運動が推奨されます。

汗をかく環境で過ごす

エアコンの効いた部屋ばかりにいると、汗腺がうまく働かなくなります。
暑熱順化を進めたいなら、意識して暑い環境に身を置く時間を作ることも重要です。

例えば

・クーラーを使わない時間を一日1時間作る

・サウナやお風呂で汗をかく習慣を取り入れる

・通勤通学時に少し歩く距離を伸ばす

日常生活の中でも十分、暑熱順化を促す工夫は可能です。

水分と塩分の補給も忘れずに

汗をかくだけではなく、それを補うための水分・電解質補給も暑熱順化の一環です。
とくにスポーツドリンクや経口補水液をうまく使うと、血液量を維持しやすくなります。

水だけを大量に飲むと、低ナトリウム血症を引き起こす危険もあるため、汗をかいた後は塩分も一緒に摂取するようにしましょう。

最後に

暑い季節の運動では、熱中症への備えが欠かせません。
その中でも、身体が暑さに強くなる「暑熱順化」は、スポーツを安全に楽しむために非常に重要な考え方です。

暑熱順化は「継続」がカギです。
突然暑くなってから慌てて対応するのではなく、日々の習慣に取り入れていくことで、熱中症リスクを大きく減らせます。

サッカー、陸上、テニスなど、屋外で長時間活動するスポーツを行っている方、また指導している保護者の方や指導者の皆さん。
ぜひ「暑熱順化」を意識して、夏の運動を安全かつ快適に行っていきましょう。

ABOUT ME
春藤謙介
春藤謙介
パーソナルトレーナー
大手整骨院、フィットネスジムでの勤務経験後にサッカートレーナーとしての活動を開始。 現在は高校サッカー選手のサポートをしながら、自身も競技力向上に向けて研鑽を積んでます。 ジュニアアスリートに強靭なカラダと怪我しないカラダ作りを授けるトレーナーです。
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