【内側側副靱帯】複合的に他の場所も怪我をしてしまう危険性が!?

こんにちは!緑橋で整体院をしている【カラダの説明書】の春藤謙介(シュントウ ケンスケ)です。
サッカーをしていると、膝まわりの靱帯や関節軟骨の損傷は、よく起こります。
これらの怪我は、膝関節の安定性や可動域などに問題を引き起こし、日常生活を不自由なものに変えていきます。
また、年齢を重ねた時に、変形性膝関節症という、進行性の症状を発症してしまう可能性もとても高いです。
今回は、そんな内側側副靱帯について解説していきます。
この記事を読んで少しでも多くの方が、内側側副靱帯の怪我を予防、もしくは競技への早期復帰ができれば幸いです。
内側側副靱帯とは?
内側側副靱帯とは、膝関節の内側にあり、大腿骨(太もも)と脛骨(すね)を繋ぐ靱帯です。
膝関節の安定に大きく関わっており、膝関節の外側からかかるストレスに抵抗します。
サッカーやラグビーなど、コンタクトが多いスポーツで多く見られ、復帰までに長い期間を必要とします。
また、内側側副靱帯は内側半月板や前十字靭帯と深い関わりがあり、同時にこれら三つの軟部組織を損傷してしまうことも珍しくありません。
では、内側側副靱帯を損傷すると、どのような症状や治療が必要となるのでしょうか?
症状
内側側副靱帯には、軽度、中度、重度と三つに分類分けすることができます。
その三つは以下のとおりです。
✅軽度
→痛みや腫れはほとんどなく、違和感が少しある状態。関節の可動域は正常で靭帯ストレステストも陰性。
✅中度
→膝を真っすぐ伸ばせず、歩行困難が見られる状態。靭帯ストレステストで少し関節に緩さがある(陽性)。
✅重度
→腫れはあまり見られないが靭帯ストレステストが陽性。
重度の場合は、膝関節に安定が大幅に損なわれるため、ほとんど自力での歩行はできません。
また、前述した、内側半月板や前十字靭帯も同時に損傷している可能性があるため、注意が必要です。
中度以上になると、可動域制限があるため、階段昇降や椅子に座る、立つなどの動作が、難しくなります。
また、固定により、痛みがなくなった後も、関節可動域の低下が残る場合が多く、その後のリハビリが重要になってきます。
原因
内側側副靱帯損傷は、ラグビーやサッカーなどコンタクトスポーツに多く見られる損傷です。
コンタクトスポーツでは、膝の外側から内側へのタックルにより、膝が内股になるような外力がかかることがあります。
内側側副靱帯は、この外力が強すぎることで、損傷してしまいます。
また、バレーやサッカーではジャンプした後の着地を失敗してしまうことでも、発生しやすく、注意が必要です。
ジャンプなどで損傷してしまった場合は、治療後のリハビリで筋力だけでなく、動作の確認も重要になってきます。
特に、「knee-in (ニーイン)」と呼ばれる、膝が過剰に内側に入ってしまう状態は、膝関節にとって怪我のしやすい動作です。
この動作を改善せずに復帰してしまうと、再発の危険性はとても高いため、注意が必要です。
どんな治療をしていくのか?
基本的に損傷がひどい場合、整形外科に行って、診断してもらいます。
その結果を元に、治療やリハビリを進めていきます。
受傷直後は「PEACE &LOVE」と言われる、応急処置を行い、すぐに病院に連れていくようにしましょう。
PEACE &LOVEの内容は以下の通りです。
✅Protection (保護)
→数日間は痛みの伴う運動は控える
✅Elevation (挙上)
→怪我をした部位を心臓より高く挙上する
✅Avoid Anti-inflammatories (抗炎症薬を避ける)
→怪我をした組織の回復を低下させる可能性があるため、抗炎症薬の服用は避ける
また、アイシングも避ける
✅Compression (圧迫)
→腫れを抑える
✅Education (教育)
→患者の状態に最も適した対処法を教え、過剰な医学的診療と薬の服用、そして不必要な受動的療法を避ける
✅Load (負荷)
→痛みと相談しながら、徐々に日常生活に戻る
✅Optimism (楽観思考)
→自信を持ち、前向きな考えを持つことで最適な回復が可能になる
✅Vascularisation (血流を増やす)
→痛みが伴わない有酸素運動を行うことで、負傷組織への血流を増やし、回復を促進させる
✅Exercise (運動)
→回復へ向けた積極的なアプローチをとることで、身体の動き、筋力を回復させる
スポーツ復帰を考えた場合、内側側副靱帯は治療もとても重要ですが、その後のリハビリも重要になってきます。
どんなリハビリをするのか?
リハビリは、スポーツ復帰のためには、必要不可欠です。
内側側副靱帯の特徴的な症状として、膝関節の「伸展制限」があります。
伸展制限とは、膝関節を伸ばす動作が制限されてしまうことを言います。
膝関節の伸展が制限されてしまうと、膝関節周囲の大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)やハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)などの筋力が大幅に低下してしまいます。
筋肉には、身体を動かすという役目のほかに「関節を安定させる」という役割があります。
そのため、まずはこの膝関節の伸展制限をなくし、筋力を上げていくということが復帰のためには、必要なリハビリです。
また、筋力は長期間の固定によっても低下しているため、伸展制限があまりなかったとしても、必ず必要になります。
しかし、筋力が元に戻ったとしても、復帰までには、まだまだ乗り越えないといけないことがあります。
それは「動作の改善」です。
怪我をした後は、必ず筋力低下が起こり、元に戻ったと思っていても、無意識に庇って、いつもとは違う動き方になっている方がほとんどです。
そんな状態で復帰してしまうと、再発の可能性はとても高くなります。
内側側副靱帯の損傷パターンには、タックルなどをされて損傷するパターンと、ジャンプや切り返しなどで損傷するパターンがあります。
特に、後者の場合は損傷する前から、内側側副靱帯にストレスのかかる動作をしているため、動作の見直しは必須項目です。
内側側副靱帯損傷では、治療だけでなく、グラウンドや整骨院、整形外科などで動作改善も含めた、リハビリをすることをお勧めします。
最後に
内側側副靱帯損傷は、予防していても起きてしまう損傷です。
また、復帰までには長期間の治療やリハビリが必要になります。
5年間スポーツに特化した整骨院で勤めていて、焦って隠れて練習をして別の怪我をした方をたくさん見てきました。
早く全力でプレーできるようにするためにも、リハビリを甘くみず、しっかり丁寧にして、スポーツ復帰していきましょう。
やり方がわからない、何をしたら良いかわからない、そんな方は、一度、緑橋駅の近くにある、カラダの説明書にご相談ください。
あなたに必要なリハビリや動作をご提案させていただきます。

